polyphenism

エコデボ研究日誌
<< December 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

汎甲殻類の表現型可塑性を調節する幼若ホルモン

昆虫と甲殻類を合わせて汎甲殻類と言いますが、それらの間では共通した内分泌機構が表現型可塑性の調節に関わっています。とくに幼若ホルモンが重要な働きをすることは古くから知られておりましたが、最近では様々な分子生物学的手法により、その分子機構が色々と明らかにされてきました。

 

北大時代から書いていた総説論文でしたが、ようやく日の目を見るときが来ました。


Miura T (2018) Dev Growth Differ 

Juvenile hormone as a physiological regulator mediating phenotypic plasticity in pancrustaceans.

https://doi.org/10.1111/dgd.12572

 

 

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top

第 288 回 三崎談話会

下記の通り、第288回 三崎談話会を開催いたします。今回はウミユリ類の発生をご研究されている大森先生にご講演をお願いしました。

参加申込・お問い合わせは、三浦(miu_at_mmbs.s.u-tokyo.ac.jp)または小口(世話人 k.ohgreen226_at_gmail.com)まで。

日時:2018年10月19日(金)17時00分〜

場所:東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所・セミナー室

講演者:大森紹仁(新潟大学理学部附属臨海実験所・助教)

懇親会: 18時30分〜

【講演要旨】

大森紹仁(新潟大学理学部附属臨海実験所・助教)

「ウミユリ類から探る新口動物の体軸の進化」

 棘皮動物は一般的に幼生では左右相称、成体では五放射相称の体制を示す。発生の過程で体軸が大きく変わるため、そのパターン形成の仕組み、および幼生、成体それぞれの体制と他の新口動物の体制との進化的関連性を明らかにすることは、新口動物における体軸の進化を考察する上で重要な課題の一つである。ウミユリ類(有柄ウミユリ、ウミシダ)は現生棘皮動物の中で最も祖先的な体制を残すが、その飼育・発生の難しさから、進化発生学的な研究は近年まであまり行われてこなかった。本講演では、ウミユリ類の飼育・発生の現状について紹介するとともに、多くの動物で体軸に沿ったパターン形成に関わる遺伝子群のウミユリ類発生過程における解析結果を報告する。

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top

第285回 三崎談話会

下記の通り、第285回 三崎談話会を開催いたします。
参加申込・お問い合わせは、三浦(miu_at_mmbs.s.u-tokyo.ac.jp)または小口(世話人 k.ohgreen226_at_gmail.com)まで。

皆様のご参加をお待ちしております。

三浦徹
東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所

-----
【第285回 三崎談話会】

日時:2018年4月19日(木) 16時〜
場所:東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所・セミナー室
講演者:松本忠夫、岡田泰和
懇親会: 18時30分〜

「歩行するクジラ」を翻訳して
松本忠夫(放送大学客員教授、東京大学名誉教授)

日本人にとってクジラ類は食料、工芸物、燃料、肥料にするなど、古来とても関心が深かった動物である。現在では国際的な協定によって大型クジラの捕獲が停止されたが、日本各地での水族館におけるイルカショー、またクジラウォッチングなどで親しまれている。クジラ類の祖先は約5000万年前の始新世にいたマメジカのような陸生で植物食の偶蹄類である。それが水辺へ進出してわずか800万年間で、歯クジラ、鬚クジラのような動物食の水生動物へと進化した。中には、恐竜を含めて地球上に出現した動物のうちで、最も大きな種も生じた。ダイナミックな進化をとげたわけだが、その進化のプロセスや要因は、 Thewissen著の「The Walking Whales(2014)」という単行本で、古生物学、解剖学、運動生理学、発生学、分子生物学などの多方面からみごとに説明されている。私はその本に感動し、それを和訳し、「歩行するクジラ」として今年の3月に東海大学から出版した。本講演において、その内容の要点および関係した学問の背景を説明してみたい。


社会的相互作用によるアリの活動性と活動リズム制御
岡田泰和 (首都大学東京,理学部,動物生態学研究室)

地球上の生物にとって,昼夜や潮汐など,外部の周期的環境や,エサ資源,協力者や交配相手など生物学的・社会的環境に応じて活動性・活動リズムを調節することは普遍的な適応現象である.アリなど,真社会性の動物は,繁殖に特化した女王と育児などの仕事を遂行するワーカー(階級・カースト)が高度な分業を行う点が大きな特徴である.こうした社会性昆虫では集団(コロニー)レベルでのパフォーマンスを最適化するような選択圧が働くため,カースト役割ごとに多様な行動を示す.そして,行動が異なるもの同士が集まって,コロニーの生産性・持続性を増していると考えられる.本講演では社会行動の時間生物学的な側面に注目し,アリの分業においてどのような活動性の多型が見られるのかを紹介する.一般に,繁殖を担う女王は,羽化直後は交尾を行うため巣外活動を行うが,交尾後はほぼ一生,地中で産卵のみを行う.こうした“繁殖モード”に入った女王には常時産卵し続けるような選択圧が働くと考えられている.一方,ワーカーは育児や採餌など,担当する仕事の内容に応じてさまざまな時間の使い方をすることで,育児やコロニーの成長を最適化できると考えられる.我々はトゲオオハリアリ(Diacamma sp.)という,順位によって女王役とワーカー役が決定する単型(形態のバリエーションがない)のアリを対象にした研究から,1)女王とワーカーにおける活動リズム多型の発達,2)育児内容によるワーカー概日活動性の可塑的変化,3)巣仲間間での社会的相互作用による活動リズムの制御,を見出した.講演では,これらの活動リズムの変異性がどのような相互作用によって作出され,どのような適応的意義を持つのかについて議論したい.

-----
三崎談話会 HP
http://www.mmbs.s.u-tokyo.ac.jp/research/MiuraLab/mmbs_seminar.html
-----
 

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top

第284回 三崎談話会

下記の通り、第284回 三崎談話会を開催いたします。参加申込・お問い合わせは、三浦(miu_at_mmbs.s.u-tokyo.ac.jp)または小口(世話人 k.ohgreen226_at_gmail.com)まで。

日時:2018年3月19日(月)17時00分〜

場所:東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所・会議室

講演者:荻野哲也(京都大学)

懇親会: 18時半〜

 

荻野哲也(京都大学大学院農学研究科 応用生物科学専攻 海洋生物機能学分野)
「多毛類の環境センシング―TRPチャネルに着目して―」

 海産環形動物の一群である多毛類は、非常に多様な海底環境に適応することができた分類群であり、その範囲は潮間帯から深海まで、およそすべての海底に及ぶ。生物が生息範囲を拡大するときに重要となるのは、新たに進出する環境の物理・化学的要因が好適かどうかを正確に把握することである。そこで演者が注目しているのが、様々な物理・化学的刺激の感知を担うことが知られているTransient receptor potential channel (TRPチャネル)である。TRPチャネルは酵母からヒトに至るまで、真核生物に広く保存されているセンサー分子であり、主に恒常性を保つため、体内外の環境変化を感知し、行動・生理学的応答を制御している。本発表では、多毛類の中でもより特殊な環境に適応できた2種を取り上げて、TRPチャネルが環境適応に果たした意義を紹介する。まず、非常に過酷な物理・化学的環境である深海熱水噴出孔環境に適応できたマリアナイトエラゴカイ(Paralvinella hessleri)の化学刺激感知機構について紹介した後、有機物の非常に多い湾内底泥を好んで生息するイトゴカイ(Capitella teleta)の貧酸素感知機構について、主に薬理学的手法で見えてきた結果について紹介する。

 

三崎談話会ウェブサイト

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top

遺伝研研究会「マクロ生態学と遺伝学の融合」のお知らせ

下記の通り、遺伝研研究会「マクロ生態学と遺伝学の融合」を開催致します。

ミクロ生物学からマクロ生態学に至るまでの気鋭の研究者達が集結する会議となっております。

皆様のご参加をお待ち申し上げております。

 

-------

 

平成30年度遺伝研研究会 2018年4月14日(土)—15日(日)

「マクロ生態学と遺伝学の融合」

世話人:田中幹子・北野潤・三浦徹

会場:国立遺伝学研究所 図書館3Fセミナー室

参加費:無料  

懇親会費:3,000円(研究会は事前登録不要ですが、懇親会に参加の方は北野:jkitano@nig.ac.jpに1週間前までに連絡ください)

アクセス:https://www.nig.ac.jp/nig/ja/about-nig/access_ja 
三島駅南口(注:新幹線出口とは反対側です)より東海バス(柳郷地行き)(12:00三島駅発-12:26遺伝研前着)

4月14日(土)

12:55-13:00         Introduction

13:00-13:30         工藤洋(京都大学生態学研究センター)

分子フェノロジー:ヒストン修飾がもたらす頑健な季節応答

13:30-14:00         東樹宏和(京都大学生態学研究センター)

生態系を駆動するコア微生物を探る

14:00-14:30         角谷徹仁(国立遺伝学研究所・東京大学大学院理学研究科)

転移因子による配列特異的抗抑制の進化

14:30-15:00          休憩

15:00-15:30         山道真人(東京大学総合文化研究科)

生態学と遺伝学の融合に向けた生態と進化のフィードバック研究

15:30-16:00         北野潤(国立遺伝学研究所)

トゲウオにおける種分化と適応進化の分子遺伝基盤

16:00-16:30          土松隆(千葉大学理学部)

植物における自家不和合性と自家受精の進化

16:30-17:00          休憩

17:00-17:30         佐瀬英俊(沖縄科学技術大学院大学)

植物ゲノムにおける遺伝子-転移因子の相互作用

17:30-18:00         河村正二(東京大学大学院新領域創成科学研究科)

霊長類の色覚とケミカルセンスについての進化生態遺伝学

18:30-20:30       懇親会(本館3F A316:図書館3Fから徒歩10秒)

4月15日(日)

9:00-9:30              菅裕(県立広島大学)

単細胞ホロゾアが解き明かす動物多細胞性の進化メカニズム

9:30-10:00           塚谷裕一(東京大学大学院理学系研究科)

葉の環境適応形態とその遺伝的基盤

10:00-10:30         田中幹子(東京工業大学生命理工学院)

環境ストレスがもたらした新奇形質の獲得機構

10:30-10:55          休憩

10:55-11:25         岸田治(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林)

『防御・攻撃・耐毒性』食う−食われる関係への両生類幼生の適応

11:25-11:55         三浦徹(東京大学大学院理学系研究科)

動物の生活史における可塑的な表現型発現:社会性昆虫から海産動物まで

11:55-12:00         Conclusion            

-------

JUGEMテーマ:学問・学校

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top
| 1/35 | >>
top page
Locations of visitors to this page Map