polyphenism

エコデボ研究日誌
<< September 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

permalink | - | - | ▲top

第285回 三崎談話会

下記の通り、第285回 三崎談話会を開催いたします。
参加申込・お問い合わせは、三浦(miu_at_mmbs.s.u-tokyo.ac.jp)または小口(世話人 k.ohgreen226_at_gmail.com)まで。

皆様のご参加をお待ちしております。

三浦徹
東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所

-----
【第285回 三崎談話会】

日時:2018年4月19日(木) 16時〜
場所:東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所・セミナー室
講演者:松本忠夫、岡田泰和
懇親会: 18時30分〜

「歩行するクジラ」を翻訳して
松本忠夫(放送大学客員教授、東京大学名誉教授)

日本人にとってクジラ類は食料、工芸物、燃料、肥料にするなど、古来とても関心が深かった動物である。現在では国際的な協定によって大型クジラの捕獲が停止されたが、日本各地での水族館におけるイルカショー、またクジラウォッチングなどで親しまれている。クジラ類の祖先は約5000万年前の始新世にいたマメジカのような陸生で植物食の偶蹄類である。それが水辺へ進出してわずか800万年間で、歯クジラ、鬚クジラのような動物食の水生動物へと進化した。中には、恐竜を含めて地球上に出現した動物のうちで、最も大きな種も生じた。ダイナミックな進化をとげたわけだが、その進化のプロセスや要因は、 Thewissen著の「The Walking Whales(2014)」という単行本で、古生物学、解剖学、運動生理学、発生学、分子生物学などの多方面からみごとに説明されている。私はその本に感動し、それを和訳し、「歩行するクジラ」として今年の3月に東海大学から出版した。本講演において、その内容の要点および関係した学問の背景を説明してみたい。


社会的相互作用によるアリの活動性と活動リズム制御
岡田泰和 (首都大学東京,理学部,動物生態学研究室)

地球上の生物にとって,昼夜や潮汐など,外部の周期的環境や,エサ資源,協力者や交配相手など生物学的・社会的環境に応じて活動性・活動リズムを調節することは普遍的な適応現象である.アリなど,真社会性の動物は,繁殖に特化した女王と育児などの仕事を遂行するワーカー(階級・カースト)が高度な分業を行う点が大きな特徴である.こうした社会性昆虫では集団(コロニー)レベルでのパフォーマンスを最適化するような選択圧が働くため,カースト役割ごとに多様な行動を示す.そして,行動が異なるもの同士が集まって,コロニーの生産性・持続性を増していると考えられる.本講演では社会行動の時間生物学的な側面に注目し,アリの分業においてどのような活動性の多型が見られるのかを紹介する.一般に,繁殖を担う女王は,羽化直後は交尾を行うため巣外活動を行うが,交尾後はほぼ一生,地中で産卵のみを行う.こうした“繁殖モード”に入った女王には常時産卵し続けるような選択圧が働くと考えられている.一方,ワーカーは育児や採餌など,担当する仕事の内容に応じてさまざまな時間の使い方をすることで,育児やコロニーの成長を最適化できると考えられる.我々はトゲオオハリアリ(Diacamma sp.)という,順位によって女王役とワーカー役が決定する単型(形態のバリエーションがない)のアリを対象にした研究から,1)女王とワーカーにおける活動リズム多型の発達,2)育児内容によるワーカー概日活動性の可塑的変化,3)巣仲間間での社会的相互作用による活動リズムの制御,を見出した.講演では,これらの活動リズムの変異性がどのような相互作用によって作出され,どのような適応的意義を持つのかについて議論したい.

-----
三崎談話会 HP
http://www.mmbs.s.u-tokyo.ac.jp/research/MiuraLab/mmbs_seminar.html
-----
 

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top

第284回 三崎談話会

下記の通り、第284回 三崎談話会を開催いたします。参加申込・お問い合わせは、三浦(miu_at_mmbs.s.u-tokyo.ac.jp)または小口(世話人 k.ohgreen226_at_gmail.com)まで。

日時:2018年3月19日(月)17時00分〜

場所:東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所・会議室

講演者:荻野哲也(京都大学)

懇親会: 18時半〜

 

荻野哲也(京都大学大学院農学研究科 応用生物科学専攻 海洋生物機能学分野)
「多毛類の環境センシング―TRPチャネルに着目して―」

 海産環形動物の一群である多毛類は、非常に多様な海底環境に適応することができた分類群であり、その範囲は潮間帯から深海まで、およそすべての海底に及ぶ。生物が生息範囲を拡大するときに重要となるのは、新たに進出する環境の物理・化学的要因が好適かどうかを正確に把握することである。そこで演者が注目しているのが、様々な物理・化学的刺激の感知を担うことが知られているTransient receptor potential channel (TRPチャネル)である。TRPチャネルは酵母からヒトに至るまで、真核生物に広く保存されているセンサー分子であり、主に恒常性を保つため、体内外の環境変化を感知し、行動・生理学的応答を制御している。本発表では、多毛類の中でもより特殊な環境に適応できた2種を取り上げて、TRPチャネルが環境適応に果たした意義を紹介する。まず、非常に過酷な物理・化学的環境である深海熱水噴出孔環境に適応できたマリアナイトエラゴカイ(Paralvinella hessleri)の化学刺激感知機構について紹介した後、有機物の非常に多い湾内底泥を好んで生息するイトゴカイ(Capitella teleta)の貧酸素感知機構について、主に薬理学的手法で見えてきた結果について紹介する。

 

三崎談話会ウェブサイト

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top

遺伝研研究会「マクロ生態学と遺伝学の融合」のお知らせ

下記の通り、遺伝研研究会「マクロ生態学と遺伝学の融合」を開催致します。

ミクロ生物学からマクロ生態学に至るまでの気鋭の研究者達が集結する会議となっております。

皆様のご参加をお待ち申し上げております。

 

-------

 

平成30年度遺伝研研究会 2018年4月14日(土)—15日(日)

「マクロ生態学と遺伝学の融合」

世話人:田中幹子・北野潤・三浦徹

会場:国立遺伝学研究所 図書館3Fセミナー室

参加費:無料  

懇親会費:3,000円(研究会は事前登録不要ですが、懇親会に参加の方は北野:jkitano@nig.ac.jpに1週間前までに連絡ください)

アクセス:https://www.nig.ac.jp/nig/ja/about-nig/access_ja 
三島駅南口(注:新幹線出口とは反対側です)より東海バス(柳郷地行き)(12:00三島駅発-12:26遺伝研前着)

4月14日(土)

12:55-13:00         Introduction

13:00-13:30         工藤洋(京都大学生態学研究センター)

分子フェノロジー:ヒストン修飾がもたらす頑健な季節応答

13:30-14:00         東樹宏和(京都大学生態学研究センター)

生態系を駆動するコア微生物を探る

14:00-14:30         角谷徹仁(国立遺伝学研究所・東京大学大学院理学研究科)

転移因子による配列特異的抗抑制の進化

14:30-15:00          休憩

15:00-15:30         山道真人(東京大学総合文化研究科)

生態学と遺伝学の融合に向けた生態と進化のフィードバック研究

15:30-16:00         北野潤(国立遺伝学研究所)

トゲウオにおける種分化と適応進化の分子遺伝基盤

16:00-16:30          土松隆(千葉大学理学部)

植物における自家不和合性と自家受精の進化

16:30-17:00          休憩

17:00-17:30         佐瀬英俊(沖縄科学技術大学院大学)

植物ゲノムにおける遺伝子-転移因子の相互作用

17:30-18:00         河村正二(東京大学大学院新領域創成科学研究科)

霊長類の色覚とケミカルセンスについての進化生態遺伝学

18:30-20:30       懇親会(本館3F A316:図書館3Fから徒歩10秒)

4月15日(日)

9:00-9:30              菅裕(県立広島大学)

単細胞ホロゾアが解き明かす動物多細胞性の進化メカニズム

9:30-10:00           塚谷裕一(東京大学大学院理学系研究科)

葉の環境適応形態とその遺伝的基盤

10:00-10:30         田中幹子(東京工業大学生命理工学院)

環境ストレスがもたらした新奇形質の獲得機構

10:30-10:55          休憩

10:55-11:25         岸田治(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター苫小牧研究林)

『防御・攻撃・耐毒性』食う−食われる関係への両生類幼生の適応

11:25-11:55         三浦徹(東京大学大学院理学系研究科)

動物の生活史における可塑的な表現型発現:社会性昆虫から海産動物まで

11:55-12:00         Conclusion            

-------

JUGEMテーマ:学問・学校

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top

Photos of Marine Animals

これまでに撮った海産動物の写真を下記サイトに揚げました。

 

 

Misaki Marine Biological Station

Marine Animals

 

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top

第283回 三崎談話会

下記の通り、第283回 三崎談話会 を開催いたします。今回はマリンバイオ共同推進機構 JAMBIO の調査で三崎を訪問される4名の研究者の方々に、ご講演をお願いしております。

参加申込・お問い合わせは、三浦(miu_at_mmbs.s.u-tokyo.ac.jp)または小口(世話人 k.ohgreen226_at_gmail.com)まで。準備の都合上、2/16(金)までにお知らせください。

---------

【第283回 三崎談話会】

日時:2018年2月21日(水)  16時00分〜

場所:東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所・実習室

講演者:柳研介、田中正敦、自見直人 、角井敬知

親睦会: 19時から臨海実験所・宿泊棟1階・食堂にて

講演会内容:

「タイプ標本調査によって明らかになりつつある本邦をタイプ産地とするイソギンチャク類の全貌 −特に三崎周辺を模式産地とする種について−」
柳研介(千葉県立中央博物館分館海の博物館)

「相模湾におけるユムシ動物の分類学的研究-近年の沿岸合同調査の成果を中心に-」
田中正敦(鹿児島大学大学院理工学研究科)

「多毛類の系統分類学 ~分類を端とした生物学~」
自見直人 (北海道大学理学院自然史科学専攻)

「タナイス目甲殻類による糸利用」
角井敬知(北海道大学大学院理学研究院)

 

【講演要旨】

タイプ標本調査によって明らかになりつつある本邦をタイプ産地とするイソギンチャク類の全貌 −特に三崎周辺を模式産地とする種について−
柳研介(千葉県立中央博物館分館海の博物館)

 本邦には,およそ170種程度のイソギンチャク類が生息すると見積もられており,このうち約60種が日本周辺海域をタイプ産地とする種である.これらの種のほとんどは,アメリカの北太平洋調査探検航海(1853-1856年)による「Stimpson Collection」,イギリスのチャレンジャー号探検航海(1872-1876)による「Challenger Collection」,ドイツ人研究者のフランツ・ドフラインの日本調査(1904年)による「Doflein Collection」そして,スウェーデン人のシクステン・ボックの日本調査(1914年)による「Bock Collection」の4つのコレクション中の標本に基づいて,19世紀中頃から20世紀前半にかけて新種記載されたものである.特にDoflein CollectionとBock Collectionには,三崎周辺から採集された種が含まれている.これらの種の原記載は非常に簡便なものが多く,図版を伴わないものも少なくない.現在,イソギンチャク類の分類には,刺胞の型や配置,筋肉性状,隔膜配列,触手の形態や配列,その他の特殊形質の有無などの形態形質が用いられるが,上記の種の多くはこれらの形質の記載が十分でなく、記載に基づいて種を同定することは非常に困難である.また,これまでタイプ標本が再検討された種はごく一部であり,多くの種については,刺胞形質などを含め,分類に必須とされている形態形質が不明なままである.このため,これらの種については,その実体が不明瞭であり,その同定を非常に困難なものにしてきた.一方で,これらの種名は,分類学的検討が行われないままに,図鑑類などで使用されてきたために,普通種とされるものにおいても明白な誤同定があることが少なくない.このようなことから,日本産イソギンチャク類の分類については,ほとんどの種について再検討が必要な状況となっている.本研究では,日本周辺海域をタイプ産地とする種について,タイプ標本の再検討および新規標本による詳細な検討を行い,分類の混乱の解決を目指した.タイプ標本の検討は,アメリカのイェール大学ピーボディ自然史博物館,イギリスのロンドン自然史博物館,ドイツのミュンヘン動物学博物館,デンマークのコペンハーゲン自然史博物館およびスウェーデンのルンド大学動物学博物館・ウプサラ大学進化動物学博物館・スウェーデン国立自然史博物館の各博物館において探索を行った.これらの博物館において発見することのできたタイプ標本について,詳細な検討を行った.一方,タイプ産地周辺において網羅的なイソギンチャク類の採集を行い,これらの標本類から,タイプ標本の検討結果と矛盾しない標本をその種の新規標本として詳細に検討した.発表者は,以上の手順によって,これまで日本周辺海域をタイプ産地として新種記載されたものの,その実体が明らかでない種について再検討を行ってきた.本発表では特に三崎周辺をタイプ産地とする種を中心に,これらの検討結果を紹介する.

 

「相模湾におけるユムシ動物の分類学的研究-近年の沿岸合同調査の成果を中心に-」
田中正敦(鹿児島大学大学院理工学研究科)

 ユムシ動物は海産環形動物の一群で、世界から約175種が知られており、体節をもたないのっぺりとした体と、そこから伸びる収縮自在の吻(体内には引き込まれない)の存在によって特徴づけられる。水深10,000 mを超える海溝から汽水域までの幅広い環境から知られ、矮雄をともなう顕著な性的二型や後天的性決定が知られるボネリムシの仲間など、動物学上興味深い種を含む。これまでに日本近海からは計24種のユムシ動物が記録されているが、このうち相模湾だけで半数近い11種もの分布が確認されている。このことから、相模湾は現在日本でもっともユムシ動物の種多様性が高い海域といえるが、これはおもに明治時代になされた、池田岩治博士の一連の研究によるところが大きい。残念ながら、その後相模湾における本動物群の研究は長らく停滞していたが、幸運なことに演者は、近年のJAMBIOの支援による沿岸合同調査に参加し、本海域でユムシ動物の調査を集中的に行う機会を得た。本公演では、相模湾におけるユムシ動物の研究の歴史とその重要性に触れつつ、沿岸合同調査で得られた興味深い種について紹介する。

 

多毛類の系統分類学 ~分類を端とした生物学~
自見直人 (北海道大学理学院自然史科学専攻)

 環形動物門多毛類は体節性を有し各節に剛毛を備える蠕虫状の動物で、世界から約12,000種知られる驚異の多様性を誇るグループである。陸地・潮間帯から水深10,890mの超深海まで広く生息し、そのバイオマスも海洋環境中で大きい (Rouse & Pleijel 2001)。そのため海洋環境と生物相の比較等、生態学的な研究において甲殻類・貝類に並んで最も頻繁に出現する分類群である(佐藤 2006)。また、口も肛門も存在しない等非常に特異的な体構造の分類群も散見されることから、発生学分野においてもよく研究されている(e.g. Miyamoto et al. 2017)。以上から考慮しても、多毛類の系統分類学的研究による分類群の認識・整理、多様性の把握は生物学的にも重要な課題である。発表者は学部〜博士課程において多毛類の系統分類学を中心に研究を進めてきた。本発表では多毛類の基礎的な部分から、発表者の分類学的研究より発展した形態学的研究についても紹介する。

 

タナイス目甲殻類による糸利用
角井敬知(北海道大学大学院理学研究院)

 節足動物による糸の利用といえば,カイコガ(昆虫類)やクモ(鋏角類)のそれが有名だが,実は甲殻類にも糸利用者は数多く存在する.今回対象とするタナイス目は,体長数ミリ程度の小型底生甲殻類である.タナイス類の糸利用者は主に海底中や海藻上に管状の巣を作るために糸を利用する.管状の巣は隠れ家や生殖の場として機能するだけでなく,効率的な摂餌にも関係していると考えられる.このように生存上有利と考えられる糸利用能力を持ったグループは種多様化を遂げており,タナイス目の全既知種数の過半数を占めているとされる.糸利用能力の獲得は,タナイス類の多様化において重要なイベントであったはずである.しかしタナイス類の糸利用に関しては,分泌器官の詳細な形態が明らかになっていないばかりか,実はどのグループが実際に糸利用者を含むのかすらよく分かっていない状況にあった.本講演では,演者がこれまでに飼育や形態観察を通して明らかにしてきた,タナイス目甲殻類の糸利用に関わる形態の多様性について紹介する.

 

JUGEMテーマ:学問・学校

permalink | comments(0) | trackbacks(0) | ▲top
| 1/34 | >>
top page
Locations of visitors to this page Map