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  • 2019.05.31 Friday
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ボディーガード

最近,寄生蜂の話題が続いたついでに,とても面白い論文がつい昨日出たばかりなのでメモ.

Grosman AH, Janssen A, de Brito EF, Cordeiro EG, Colares F, Fonseca JF, Lima ER, Pallini A2, Sabelis MW (2008) Parasitoid increases survival of pupae by inducing hosts to fight predators. PLoS ONE 3(6): e2276.

捕食寄生蜂はホストの体を食い尽くして成長するが,その過程でホストの行動までも寄生蜂に都合の良いように変化させてしまう例が知られている.この論文で報告されているのはその究極的な例.

コマユバチ科の1種Glyptapanteles sp.は,シャクガ科のThyrinteina leucoceraeに寄生をする.先日紹介した場合と異なり,宿主を完全に殺ししまう前に,ホストの幼虫の体外に出てきて,植物の茎などで蛹化する.

肝心なのはこの後.

体内を食われ死ぬ寸前のホスト幼虫は,自分の体外から出てきた寄生蜂の蛹のそばでボディーガードをする.外敵が近づいてくると頭を激しくスイングして追い払う.
Glyptapanteles

この行動はLepidopteraの幼虫では見られる防衛行動だが,寄生されていない幼虫では寄生後の幼虫の様に激しくこの行動をすることはない.上記PLoS ONEのページでは比較できる動画も見られるので是非ご覧いただきたい.

自分の体を食い尽くされたイモムシは,命がつきるまで寄生蜂を守るように,神経系までコントロールされてしまっているのだ.恐るべし,寄生蜂.

さすがにこの話はオモロいだけあって既にいろんなところで紹介されまくっていますね.
*****

寄生蜂によるこの行動のメカニズムはとても興味深い.しかしどうやってこの都合の良い行動変化がコントロールされているかは未知.論文のDiscussionにすげーオモロいストーリーが書かれてたので,追記.

ほとんどの寄生蜂幼虫がホストから出てしまった数日後にホストの解剖をしたところ,数匹の寄生蜂の幼虫がホストの中に残存していた.これらの残存幼虫たちは自分たちが犠牲となってホスト幼虫を操縦しているのではないか,という仮説.筆者達はコイツらを "brainworms" と呼んでいる.そうだとするとここにも利他行動が見られることになる.

これが本当だったらスゴすぎ...です.

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  • 2019.05.31 Friday
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  • 03:54
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コメント
最後のストーリーはやばすぎる!彼らはもう証明するための実験に取りかかっているかもしれませんが、証明できたらネイチャーどころじゃないですね。
  • シロハラクイナ
  • 2008/06/05 11:21 PM
そうですね.しかし,どうやって証明すんだろ?
ホストを殺さずに残存幼虫だけを取り除くこととかできればいいんですけどね.続報が楽しみです.
  • polyphenism
  • 2008/06/05 11:46 PM
膜翅目特異的に効く殺虫剤でもあればいいんですけどね。または、幼虫がいる場所がわかれば、神業的手術で取り出すとか…
  • シロハラクイナ
  • 2008/06/06 8:20 AM
あとは,状況証拠的にはなるけど,残存幼虫の数とボディーガード行動の程度の相関などは調べられるでしょうね.
  • polyphenism
  • 2008/06/06 10:06 AM
管理者の承認待ちコメントです。
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  • 2019/03/08 10:06 AM
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  • 2019/06/26 7:58 AM
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 最近は紹介したくなるような面白い論文に恵まれている気がする。  寄生者による宿主の行動制御というのは当ブログでも人気のあるジャンルである。セナガアナバチ、フクロムシ、ハリガネムシについて書いたエントリはアクセス数も多いしコメントの少ない当ブロ
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